衛生公衆衛生学史こぼれ話
49.ポリオと非衛生環境
北 博正
1,2
1東京都環境科学研究所
2東京医科歯科大学
pp.313
発行日 1988年5月15日
Published Date 1988/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207680
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戦前はポリオは珍しく 小児麻痺の名称かふさわしく,小児伝染病の1種とみなされていたか,まれにしか発生せず,試験の山にはならなかった.ところが大戦後,わか国のあちこちでポリオか発生し,1960年には北海道て人口10万対31.8,患者数5,600名という大流行か見られ,内地から"鉄の肺"か空輸されるという騒ぎとなった.
ポリオの病原ウイルスは咽頭で増殖し,飛沫感染が短期間みられ,ついてウイルスは腸管に定着し,糞便とともに排出されて経口感染を起こす 実際には糞便による経口感染のほうが問題である.
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