特集 訪問看護
医師会と訪問看護
橋本 欣也
1
,
真島 恵吉
1
Kinya HASHIMOTO
1
,
Keikichi MAJIMA
1
1東京都中野区医師会
pp.821-824
発行日 1987年12月15日
Published Date 1987/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207581
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■はじめに
昭和58年の老人保健法制定以来,行政では訪問指導事業を実施していますが,中野区医師会(会長,菊田能敬先生)は,区保健衛生部のこの事業に協力して,今日に至っています.さてわが国の高齢化のテンポは非常に速く,世界有数の長寿国となり,必然的に老人人口の上昇を招き,ひいては寝たきり老人の増加を伴ってきています.14年後の21世紀の初めには,現在の50%以上も増え,100万人を超えるものと予測されています.一方国民総医療費は,高度な医療技術の発達,医療機器のめざましい開発とともに,昭和61年度は約18兆円に達しています.そのうち老人医療費は4兆8千億円でありますが,10数年後の昭和75年度では,国民医療費は44兆1千億円,そのうち老人医療費は16兆3千億円という,膨大な数字を厚生省は試算しています.このような,人口構成の急速な変貌と,経済面での著しい医療費の増加は,厚生省をして,62年6月に在宅医療環境整備に関する検討会を企画・発足させたものと思われます.ここで,寝たきり老人の主治医として,在宅ケアの一翼を分担する医師会と,行政が企画する訪問指導との連携の実態などを紹介し,若干の考察とその問題点について述べてみることにします.
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