日本列島
成人歯科調査まとまる—長野県
藤島 弘道
1
1長野県衛生部保健予防課
pp.692
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207551
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かつて長野県は,脳卒中と並んで「う歯天国」であった.三歳児検診の結果で,罹患率では昭和44年に86.6%,1人当たりのう歯数では,40年に7.2本と高い数値であった.61年にはそれぞれ57.1%,2.9本と全国的な傾向と同様改善の跡が見られた.行政努力が具体的効果となって現れたということであろう.しかし,人生80年という長寿社会になって,う歯対策に力点がおかれている口腔衛生対策に,反省が見られはじめた,歯周疾患対策等,生涯歯科対策が必要ではないかという事である.長野県では,62年度に歯科保健対策研究会を発足させたが,それに先立ち61年度歯科医師会・市町村の協力を得て,成人歯科の実態調査を行った.その結果がまとまったので報告する.
調査は,県下12市町村で,健康フェスティバル等に参加した30歳以上1,229人を対象に,歯・口清掃に関するアンケート調査等の歯科保健意識調査と,歯科保健診査である.概要は次の通りである.
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