特集 運動と食生活
中高年者に対する運動指導の原理と注意
武藤 芳照
1
,
友吉 由紀子
1
,
馬場 深雪
1
Yoshiteru MUTO
1
,
Yukiko TOMOYOSHI
1
,
Miyuki BABA
1
1東京大学教育学部体育学研究室
pp.599-604
発行日 1987年9月15日
Published Date 1987/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207530
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■はじめに
現在,スポーツは,その目的・対象により表1のように分類されると考えられる.従来のスポーツは,競技スポーツ,レクリエーションスポーツ,学校体育としてのスポーツが中心であったが,最近,健康スポーツが急速な勢いで普及・発展を遂げてきた.また,かつては,健康な青年男子がスポーツを行うという形がごく一般的であったものが,現在生後間もない乳児を含めた子ども,70代,80代を含めた高齢者まで幅広い年代層がスポーツを行うようになった.とくに,中高年者が自らの健康・体力の保持・増進,あるいは疾病・障害の治療・予防のために,ジョギング,水泳,テニス,ゲートボール,ウォーキング,筋力トレーニングなどの様々な身体運動・スポーツを実践する光景は,今や社会に定着したといってよい.
しかし,中高年者の身体特性を無視した,誤った方法や不適切な環境でスポーツを行えば,いたずらにスポーツ障害を発生させるばかりである.そこで本稿では,中高年者の運動指導に当たって必要と考えられる原理と注意を述べてみたい.
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