研究
3歳児の齲蝕と齲蝕予防法に関する疫学的研究
秋澤 より子
1
,
関 雅楽子
2
,
籏野 脩一
3
,
簑輪 眞澄
3
Yoriko AKIZAWA
1
,
Utako SEKI
2
,
Syūichi HATANO
3
,
Masumi MINOWA
3
1千代田区麹町保健所予防課
2世田谷区梅丘保健所
3国立公衆衛生院疫学部
pp.420-427
発行日 1987年6月15日
Published Date 1987/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207490
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●はじめに
歯科疾患の主なものとしては,齲歯と歯周疾患の二つがあげられるが中でも齲歯は国民の大多数にまん延しており,自然治癒することのない特殊な疾患である.この疾患は幼児期生歯とともに増加する疾患であり,3歳児の保健指導上でも重要視されている.
齲歯の予防には歯磨きが効果的であると言われ,歯の磨き方,歯磨き粉や練り歯磨きの成分に関する研究などが長年行われ1),歯磨き習慣が確立してきている裏付けとなっている.しかし一方では,歯磨きは齲蝕予防に効果があるとは言えない,という報告もされている2).また,齲蝕には食生活,生活環境等の種々の要因がからんでおり,原因がはっきり一つでないため生活全般に広がってしまう問題である,と結ぶ文献もある3).すなわち,齲蝕予防法に関しては必ずしも合意が得られていない.
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