特集 胃癌—その知識と対策のために
胃集検の精度管理と事後管理
宮下 美生
1
Yoshio MIYASHITA
1
1長野県成人病予防協会
pp.183-189
発行日 1987年3月15日
Published Date 1987/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207434
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに
日本消化器集団検診学会関東甲信越地方会(世話人代表市川平三郎)は,昭和58年9月に,「胃集団検診の精度管理指針」を発表し,これは同年11月14日の日本消化器集団検診学会理事会(於大阪)において,同学会の精度管理指針として承認された.つまり,この精度管理指針は,厚生省公衆衛生局老人保健部長通達(昭和58年1月26日衛老第15号)による保健事業実施要領に示されている「検診実施機関は,常に日本消化器集団検診学会の定めた精度管理を行わなければならない」に該当する指針となったわけである.
以来,胃集検の分野でも,「精度管理」という言葉がしばしば用いられるようになった.このことは,「指針」作成に参加した私どもにとって,大変うれしいことであるが,胃集検における精度管理の概念や内容は,まだ十分に成熟したとはいえない面もあり,使い手によって多少の混乱もあるように見うけられる.ここでは精度管理に対する私どもの考え方を述べ,なかでも中心をなす「組織の精度管理」において欠くことのできない事後管理の重要性について言及したい.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.