特集 健康科学
健康の疫学
苫米地 孝之助
1
Kōnosuke TOMABECHI
1
1東京家政大学
pp.8-12
発行日 1987年1月15日
Published Date 1987/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207395
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■健康の考え方
健康の疫学を記すにあたり,まず健康をどうとらえるかが問題である.WHOのいうような抽象的ものではなく,具体的かつ現実的な考え方が必要である.
一般に健康から疾病へのプロセスとして次のような図(図1)が示されている,その中で客観的にみて異常はなく,しかも健康感を持っている者は一応健康人と考えてよいであろう.ついで何らかの原因によって病気に対する抵抗力や,いざという時の予備力が減少した者を半健康人と呼ぶことができる.このような者は疲労を感じやすく,体力の衰えを自覚してはいるが,ほどほどに健康だと思っており,他覚的には多少機能的ないし生化学的な変化が現れているが,なお器質的な変化が認められない時期でもある.
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