日本列島
沖縄女性の長寿
伊波 茂雄
1
1琉球大学医学部保健管理学
pp.806
発行日 1986年12月15日
Published Date 1986/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207379
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沖縄
沖縄女性の死因第1位は悪生新生物で1年間に1,222人が死亡,第2位心疾患872人,そして第3位は脳血管疾患625人,合計2,719人で全死亡の51.5%を占めている.
沖縄県環境保健部が発表した昭和60年の人口動態統計(概数)によると,この三大死因の順位は昭和57年から4年間続いており,全国平均より3年早く2位心疾患,3位脳卒中となった順位は固定したといえよう.また60年には前年と比較すると出生は増加したが,死亡,婚姻,離婚,死産,乳児死亡の数は減少している.出生数は20,658人で前年より266人増え,人口千人対出生率17.6(全国平均11.9)で47都道府県中第1位となり,過去60年間以上も統計的には第1位をキープしている。死亡数は5,283人で前年より66人減少,死亡率4.5(対前年比-0.1)は全国最下位(前年は45位)となった.この結果自然増加15,375人,増加率13.1となり,全国平均5.6を大きく上回り,1位となっている.しかし乳児死亡率は5.6で26位,新生児死亡率2.9, 43位で,その差が大きく,生後4週を過ぎてからの乳児死亡が多くなっている.この事は施設分娩産褥後,自宅での乳児ケアのあり方(親,家族,社会環境などの)と関係していることが考えられる.
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