特集 へき地・離島の保健・医療
へき地・離島における保健医療対策のあり方
岩崎 榮
1
Sakai IWASAKI
1
1厚生省病院管理研究所医療管理部
pp.504-510
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207305
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■へき地離島の住民に学ぶ姿勢
とかく,へき地離島の保健医療は,へき地離島を持つ地元町村の努力に拘わらず,うまく事が運ばないことが多い.そして,その多くの責任が,そこで保健医療を提供する医師にある場合でも,直接,医師にその事を訴えることは容易ではない.もし,そのようなことがあれば,医師やその医師をお世話した医局の逆鱗にふれ,医師の引き揚げという事態を招き,その地域は,立ち所に無医地区となる.従来,よくみられた事例である.そして,このような事を最も身に染みて知っているのが町村長なのである.
一度でも,このような経験をした町村長は,決して医師に弓を引くようなことはしない.何としても,忍の一字とばかりに百度参りと相成る次第.それでも医師は来てくれない.仕方がないので,国外にまで医師を求めに歩く.よい時はよいが,悪くなるとすぐに首にできる.定着率はまことによくない.
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