調査報告
VDT作業者の自覚症状と健康管理
増野 純
1
,
渡辺 登
2,3
,
原 眞由美
1
,
大澤 維大
1
Jun MASUNO
1
,
Noboru WATANABE
2,3
,
Mayumi HARA
1
,
Tsunahiro OHSAWA
1
1(財)産業保健研究財団
2国立精神衛生研究所
3厚生省保健医療局精神保健課
pp.352-356
発行日 1986年5月15日
Published Date 1986/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207267
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●はじめに
近年,マイクロエレクトロニクスを中心とした技術革新によって,様々な分野でオートメーション化が試みられている.なかでも情報の入力・検索・加工や文書作成,プログラム作成等を合理的かつ能率的に行うために,VDT(Video Display Terminals)が官公庁や企業へ続々と導入されている.ところが,それに伴いVDTが作業者にいろいろな心身の障害を惹起させているとの報告も急増しており2,3,8,13,23,25,27,29,30),労働衛生対策を推進するうえで健康管理に多大の配慮を行う必要が生じてきた.しかし,VDT作業は従来無かった新たな作業形態であるため,VDTの心身に及ぼす影響について十分な解明が未だなされておらず,したがって健康管理対策も確立されていない現状にある.
このたび通産省はVDT作業者の健康管理対策の一環として他の中央官庁にさきがけてVDT健康診断を企画し,我々がそれを実施する機会を得た.そこで,その結果をもとにVDTによる健康障害の実態把握を試み,さらに職場での健康管理対策について検討をえたので報告したい.
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