特集 産業医学と臨床検査
Ⅱ.有害因子と臨床検査
1 物理的因子
7 VDT作業
野呂 影勇
1
Kageyu NORO
1
1産業医科大学人間工学教室
pp.1326-1329
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912362
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□ディスプレイ作業
事務の情報化と効率化を図るために,各種の計算機の導入が近年盛んとなっている.ある程度以上の規模の計算機には,数台の画像(ディスプレイ)装置の付いた端末が連結されている.規模が小さい場合でも,計算機と一体化された形でディスプレイ装置が付属されている.もっとも,計算機の計算内容を示すというのであれば,どんな小さなものにもディスプレイ装置が付いていないものはない.ディスプレイ作業として対象となる装置は,蛍光塗料を塗布したガラス面を持つ管球CRT (cathode ray tube)を用いたものである.
このようなディスプレイ装置が必要となったのは,情報の高密度化(ひと口に情報化といっている)のためである.具体的に言うと,卓上計算機なら1行10桁程度のディスプレイで足りる.しかし,これでは従来の事務作業の手伝い程度にしかならない.事務を計算機化するためには,伝票1枚分がそっくり表示される必要がある.12インチ程度のディスプレイ装置が,このために用いられるようになってきたのである.1行の数字を読むだけならば単純で簡単な作業であるが,1枚の伝票となるとそれではすまされなくなる.例えば「カク」,「ナオス」,「ミル」,「ソート」,「ウメル」,「オクル」,「ケス」,「シマウ」,「コピー」といった事務作業特有の仕事が画面を介して行われる.
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