特集 産業医学最近の話題
VDT作業
渡部 眞也
1
Shinya WATANABE
1
1滋賀医科大学予防医学講座
pp.379-381
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207698
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マイクロエレクトロニクス技術の急速な発達によって,生産と経営管理のオートメーション化が,広汎な産業分野で著しい進展を遂げつつある.コンピュータ端末であるVDTでの作業は,そこでの新しい労働形態の一つで,とりわけ事務作業部門に普遍的に見られる.
この新しい作業形態の労働負担や健康への悪影響への関心と研究は,ヨーロッパでは,1970年代中頃から見られるようになり,また,雇用(失業)問題もからめて労働運動の大きな課題ともなり,その結果,作業時間短縮を含む労働条件の改善が進んだ.わが国での取り組みはこれに少し遅れ,80年代に入って労働組合の取り組みが活発になり,日本産業衛生学会VDT作業に関する検討委員会が,内外の情報を検討・整理して当面の対策や課題について意見を表明したり,労働行政面でも一定の対策指針が出されるなどして,労働条件の悪化には若干の歯止めがかかったが,まだ満足すべき状態にあるとはいえない.
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