特集 医師会活動
産業医活動—尼崎市医師会の場合
瀬尾 攝
1
Osamu SEO
1
1尼崎市医師会
pp.175-180
発行日 1986年3月15日
Published Date 1986/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207224
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■歴史的理解から
わが国における産業医の発想は,明治21年(1888)の後藤新平による「職業衛生法」に始まるが,社会政策としては明治38年(1905)の鉱業法による鉱山医と大正5年(1916)の工場法による工場医とに始まるとされており,いずれも慈善・救貧ないし企業防衛的な発想に基づく労働者保護をめざしたものであり,ひいては昭和戦前期の「富国強兵」「殖産興業」の国策につながるものであった.
戦後になってから昭和22年(1947)に労働省の設置とともに,初めて労働基準法が施行されて,その中で医師である衛生管理者が定められたが,高度経済成長と産業構造の変貌に伴って,それに対応するために昭和47年(1972)に労働安全衛生法が施行され,ここに初めて法的に産業医が規定され,その選任と職務内容とが制度化されるに至った.
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