特集 女性と健康
働く女性の精神衛生
池田 由子
1
Yoshiko IKEDA
1
1国立精神衛生研究所児童精神衛生部
pp.85-90
発行日 1986年2月15日
Published Date 1986/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207203
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■はじめに
女性の就労はその高学歴化に伴い,ますますふえている.とりわけ米国に始まり世界的に広がった,いわゆるウーマン・リブの波は急進的,漸進的の差こそあれ,経済的自立を伴う女性の職場進出を,地位の向上として高く評価している.米国やフランスほどでないにせよ,経済的理由を別にしても,家庭の主婦が何とはなしに外に追い立てられる傾向もなしとしない.
また,1973年以来の経済不況,増税による夫の実質収入減少,教育費の増加などは,更に一般の主婦を職業にと導いた.1980年頃からは,働いていない主婦を,"専業主婦"として区別して呼ぶようになったほどである.
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