特集 地域保健医療計画
地域医療計画策定の基盤と問題点—大都市圏の場合
樋口 正明
1
Masaaki HIGUCHI
1
1東京都衛生局
pp.413-418
発行日 1984年6月15日
Published Date 1984/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206877
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■はじめに
東京都の医療行政を推進するにあたって,その施策を展開する上で基盤となるべき立脚点をいずれに求めるかは,さまざまな視座からのアプローチが可能であろう.これまでも,都は都民医療について各時代に即応した各種の施策を実施してきた.しかし,この各種施策は,どちらかと言えばその都度,都民医療にとって早急に解決をせまられた問題のクリアランスを図るものが多かったが,これを振りかえってみると,それぞれの時代の制約からみてやむを得ぬものでもあった.
今日では,かつてのような医療資源の単なる量的拡大を図る時代は終ったとみてよく,むしろ近く到来するであろう地域医療をとりまく諸相の変化を射程内においた,都民の地域保健医療需要に応じた体制の整備が望まれる時代となってきている.
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