特集 循環器疾患の疫学
脳卒中の診断・治療の進歩と疫学への応用
磯村 孝二
1
Koji ISOMURA
1
1佐久総合病院内科
pp.160-165
発行日 1984年3月15日
Published Date 1984/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206829
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■はじめに
脳卒中の病型分類および診断基準として,従来「脳卒中の成因,殊に日本人の特殊性」(班長沖中重雄)の作成したものが広く用いられてきたが,この診断基準は脳卒中の死因調査に関してはほぼ満足しうるものとされている,また,九大第二内科池田は計量的鑑別診断(CVD・Index)を発表,かなり信頼性が高いと報告し,その後も計量診断法として秋田脳研法,日医大法などの報告がある.
しかし,近年CTの普及により脳卒中急性期の病型診断が著しく正確となり,従来の診断基準が必ずしも確実でないことがあきらかになってきた.とくに脳内の小出血では,しばしば脳梗塞と診断される場合が多い.
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