特集 保健所活動に期待する—高齢化社会への挑戦
国民健康づくり計画モデル事業の現状と課題
小町 喜男
1
,
多田羅 浩三
2
Yoshio KOMACHI
1
,
Kozo TATARA
2
1筑波大学社会医学系
2大阪大学医学部
pp.627-631
発行日 1983年10月15日
Published Date 1983/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206761
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■国民健康づくり計画の誕生
第2次大戦後の復興が始まり,疾病の予防や保健の促進への国民の大きな期待を受けて,新しい保健所法が成立したのは昭和22年である.
厳しい食糧事情による住民の栄養低下,ベビーブーム下での母子保健,蔓延する伝染病,死因のトップを続ける結核など,各地に設立された保健所が直面する課題は,極めて重大かつひっ迫したものであった,このような事態の中で,保健所は積極的に事業を展開し,多くの輝かしい成果をあげてきたことは,周知のとおりである.かくして保健所は急速に日本の地域社会の中に根をおろし,地域の保健や環境・食品衛生の確保,改善のかけがえのない施設として成長してきた.医療サービスから独立した保健サービスの専門機関として,全国に850か所も存在する我が国の保健所は,世界にも例をみない保建サービスのシステムである.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.