調査報告
山菜と誤ってトリカブトを食べた急性中毒の2症例
彦坂 直道
1
Naomiti HIKOSAKA
1
1宮城厚生協会古川民主病院内科
pp.192-195
発行日 1983年3月15日
Published Date 1983/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206668
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トリカブトは,アコニチン等の猛毒のアルカロイドを含む毒草として知られているが,筆者は最近,これを山菜の「モミジガサ」(山菜名は,シドキ,シドケ,キノシタ,トウキチ,などとなっている)と間違って食べて急性中毒をおこした2症例を経験した.「最近の山菜ブームの中で,あまり経験のない人が,不確かな知識で山菜とりをして,あぶなく生命を落とすところであった事件」として,新聞,テレビ等で報道され,かなりの反響のあった事件であるが,筆者の知る限りでは,こういう誤食例は伝聞としてあるだけで,記載された症例がないため,貴重な資料になると考え報告する.
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