研究
柑橘栽培従事者の有機燐農薬散布後の血中農薬濃度と血液生化学的検査値の変動及び環境濃度について
平井 和光
1
,
塩飽 邦憲
1
,
鳥居 本美
1
,
脇本 忠明
2
,
河野 公栄
2
,
立川 涼
2
Kazumitsu HIRAI
1
,
Kuninori SHIWAKU
1
,
Motomi TORII
1
,
Tadaaki WAKIMOTO
2
,
Masahide KAWANO
2
,
Ryo TATSUKAWA
2
1愛媛大学医学部寄生虫学教室
2愛媛大学農学部環境保全学科
pp.842-848
発行日 1982年12月15日
Published Date 1982/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206627
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
今日の農業経営における農薬の使用は不可欠になっている.わが国の使用農薬は,以前と比較してその急性毒性,残留性は著しく低下しているが,農薬散布作業中に発生する農薬障害は現在も多発しており,特に有機燐系農薬による健康障害の発生が最も多いことが報告されている1).有機燐系農薬の研究では,急性中毒の病態生理,農薬散布従事者の健康に対する影響などに関する多数の報告があり,毒性の動物種に対する特異性,化学構造の多様性とその毒性発現の特異性など種々の課題が提起されている2).著者らは,柑橘栽培農民に対する有機燐農薬の影響についてこれまで報告してきたが3,4),この研究は,柑橘栽培においてノズルによる有機燐農薬散布後の血中農薬濃度と作業前後の血液生化学的諸検査値の変動との関連性及び農薬散布による環境汚染について観察し,若干の考察を加え報告する.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.