調査報告
新潟県粟島における医療の現状とその考察—遠隔診療システムを中心として観た場合
坂野 忠司
1
Tadashi SAKANO
1
1福島県立医科大学衛生学教室
pp.788-791
発行日 1982年11月15日
Published Date 1982/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206615
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昭和47年10月,厚生省に医療情報システム検討会が設置され,ひとつの柱として僻地医療における情報システム化が進められ,その実用化と遠隔診療システムが導入された1).このシステムによって,医師不在のいわゆる「無医地区」にも医療の供給が可能となったが,経費の負担,法制上の問題2),さらには直接医師の診療をうけるわけではないことに対する住民の心理的充足感の欠如,不安感といった問題も見逃しえない.
新潟県の粟島ではファクシミリを用いた遠隔診療システムが導入されている.風土,気候,そして交通によって生活が大きく左右されるこの島の医療の状況を,遠隔診療システムの効果と残存する問題点から明らかにすることを目的として調査した.
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