公衆衛生人国記
新潟県—新潟県出身の公衆衛生人を中心に
渡辺 宏
1
Hiroshi WATANABE
1
1予防がん学研究所新潟
pp.129-131
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207625
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新潟県は本州のほぼ中央の日本海側にあって,本州をそのまま縮小したような形のいわゆる本土地域と,日本海に浮かぶ佐渡ケ島及びその北にある,墨滴のような粟島から成り立っている.広さは東西の最大幅198.9km,南北202km,面積12,578.62km2で,長野県に次いで全国第5位である.総人口は2,478,470人(昭和60年国調)を数えるが,これは昭和30年の人口とほぼ同じで,それ以降減少を続けていたが,昭和45年を最低とし漸増に転じて回復したものである.過去の人口を調べて見ると,明治26年の新潟県の人口は1,706,400人で全国第1位で,第2位の東京都を10万人余り引き離しているが,5年後の明治31年になると,日清戦争後の工業急成長の影響による人口の都市集中のせいか,17万人余り引き離されて第2位に転落している.これに関連して,新潟県の産業別従事者の割合を調べてみると,第一次産業14.1%(全国9.3%),第二次産業35.7%(全国33.1%),第三次産業50.1%(全国57.3%)と第一次産業従事者の割合が高く,依然として第三次産業従事者の割合の低い農業県,特に米作県である.農業は冬季の積雪のため単作であるが,米は年間82万2千トンを産出し全国一である.米作には殊に灌漑用水が重大な要件であるが,県内には大小の河川が多数存在し,灌漑用水不足をきたさない.県内の一級河川は34もあるが,水系別には10系を数える.
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