特集 学校保健の今日的課題
脊柱側彎症—学校検診のシステムと事後管理の諸問題
大塚 嘉則
1
Yoshinori OHTSUKA
1
1国立療養所千葉東病院整形外科
pp.681-688
発行日 1982年10月15日
Published Date 1982/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206596
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■脊柱側彎症の歴史的背景
学校保健における疾病構造の変化にともなって,近年とくに慢性疾患の早期発見とその悪化防止に力が注がれるようになってきた.この中で整形外科的疾患としては,その発生頻度,疾患の特性などからみて,脊柱側彎症が従来からの骨折等の外傷性疾患とならんで重点的にとりあげられるようになった.
脊柱側彎症は有史以前より存在していた疾患と考えられている.しかしその治療が極めて困難であったことから,長い間適切な対処がなされるに至らなかった.側彎症に関する近代的アプローチは17世紀にはじまり,以来今日までその病因に関して数多くの説があるが,いずれも本症の大多数を占める特発性側彎症の原因を解明するには至っていない.
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