特集 国際保健協力
ネパール王国西部地域公衆衛生プロジェクトの場合
梅村 典裕
1,2
Norihiro UMEMURA
1,2
1愛知県刈谷保健所
2J. M. C. T.(Japan Medical cooperation Team)
pp.29-35
発行日 1982年1月15日
Published Date 1982/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206456
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ネパール王国に対する医療・保健協力は,日本を含めた世界の先進諸国並びに国際機関により多数のプロジェクトが実施されている.我が国でも政府間のほか古くから大学や民間団体等によって,協力期間の長短はあるが,内容は多岐に亘って行われている.
政府間レベルの援助では,現在は昭和47年からの西部地域公衆衛生プロジェクトとトリプバン大学医学部の医学教育に対する協力が昭和55年から行われている.最初は昭和40年に医師,X線技師,検査技師と保健婦等により編成された巡回診療団が間接撮影装置を登載したX線車と合わせて巡遣され,カトマンドゥ盆地を中心として間接撮影方式による結核の集団検診の技術指導も行われ,高い患者発見率から結核の蔓延が推測された.その後昭和44年に国立中央病院であるビル病院,ビラトナガールの県病院とジャナカプールの郡病院にX線装置と300万人分の痘苗が供与された.
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