大学とフィールド
地域と一体の関係—その歩み—〈愛媛大学医学部公衆衛生学教室〉
高橋 弘
1
Hiroshi TAKAHASHI
1
1愛媛大学公衆衛生学
pp.802-803
発行日 1980年11月15日
Published Date 1980/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206196
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●ささやかな一歩の始まり
愛媛大学医学部は昭和48年に開校されたが,公衆衛生学教室はその2年後に開設され,今年で6年目を迎えた.それは,当初から地域に根ざした"手づくりの医学部"をめざした医学部に対して,地域医療の旗手としての県民の期待は大きく,なかんずく地域との接点の大きくて然るべきわが教室が何を為すべきかに悩み,ともかくもできるところからと模索しつつ県内をとび回った5年余であった.
初年度は,当時,今治保健所長で非常に活動的と定評のあった材木先生とともに,管内5町村の当事者と話し合いを持ち,木村慶教授ともども3人でテーマを分担し,どさ回りよろしく地元住民を、対象とした講演,PR活動をして回った.幸い,そのうち4町村において,その年度内に何とか循環器疾患を中心とした成人病の検診,調査を実施することができ,4町村合せて延べ11日,約1,000人の受診者であったが,ささやかな一歩を踏み出すことができたのであった.
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