特集 医師会活動とプライマリ・ケア
プライマリ・ヘルスケア概念の視点からみた世界の主要諸国における保健医療活動の動向
丸地 信弘
1
Nobuhiro MARUCHI
1
1東京大学(医学部保健学科)保健管理学
pp.749-758
発行日 1980年11月15日
Published Date 1980/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206186
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■はじめに
筆者が本誌編集室から依頼を受けたテーマは,「世界におけるプライマリ・ケアの動向」であった.
わが国で"プライマリ・ケア"(以下,PC)というのは,アメリカやイギリスでいう医者と患者の〈first contact〉を重視した考えで1)2),一般開業医が患者とその生活環境に注目し人間的な継続ケアを強調する合言葉と理解したい.近代西欧医学の専門分化により提供側の一方的論理による患者不在を招いた現代医療社会への反省として,わが国の医師が患者の人権を"PC"ということで叫び始めたなら,それに賛意を表したい.
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