特集 感染病の国際的動向とその対策
医動物の最近の動向
鈴木 猛
1
1東京大学医科学研究所寄生虫研究部
pp.860-864
発行日 1979年12月15日
Published Date 1979/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205981
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■はじめに
医動物とは,医学に関係のある動物を総称し,原生動物から脊椎動物に至る,はなはだ広い範囲の動物を含んでいる.ここでは,蚊,ノミ,シラミ,ハエ,ダニなどの,いわゆる衛生害虫を中心に,ネズミ,内部寄生虫にふれて話を進めることにする.
近時,特定の疾病を媒介することはないが,その存在そのものが不快であるという,いわゆる不快昆虫が,わが国で大きくクローズアップされてきた.しかし,いうまでもなく,医動物が公衆衛生上大きな意義をもつのは,それが疾病の伝播,媒介に関与するか(多くの衛生害虫やネズミ),あるいはその存在自体が疾病を引き起こす(寄生虫)場合であろう.
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