特集 地域精神衛生活動
地域診療所の精神衛生活動—浜田クリニック
浜田 晋
1
1(東京・上野)浜田クリニック
pp.169-173
発行日 1979年3月15日
Published Date 1979/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205794
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■はじめに
昭和40年,精神衛生法改正によって,地域精神衛生活動の第一線機関として「保健所」が,そしてそれを技術指導,援助するものとしての「精神衛生センター」が,いわゆる「地域精神衛生活動」の担い手とされた.そして13年を経過した現在,この行政サイドからの実践活動はほとんど実らなかったと言わざるを得ない.その原因はさまざまあろう.その一端について,筆者はすでに発表した1).もちろん,ある地域(例えば東京では小平・町田・練馬などの活動)や,若干の保健婦たちの地道な個人的努力は,このきびしい状況の中にあって,実に貴重なものであることを否定するものではない.しかし今後,このような試行が発展して,精神医療--地域性のない私立精神病院入院中心主義--の流れを大きく変える力となるとも思えない.その壁は二重にも三重にも厚いからである.
ここでは,地域精神衛生活動をはばむ重要な一因である,地域医療の未熟性を取り上げることとする.
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