正常値
血清GOT,GPTの正常値
林 康之
1
1順大臨床病理
pp.1198-1199
発行日 1964年11月10日
Published Date 1964/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200563
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正常値とその解釈
近年血清酵素活性の測定は臨床上の要求に応え,臨床検査として頻度の高い種目となつた。ところが,酵素活性の測定は,血清中の無機あるいは有機物の定量とは異なり,絶対量をはかることはわずかな臨床検査材料からはまず不可能に近い。したがつてほとんどすべての測定法が間接的な測定法で,いかに正確に酵素量を表現するかという目的のためにひとつの酵素検査にも数種類の測定法が考案されている。このことは検査成績比較の上で,測定法により正常値が異なるという大きな欠点となつて表われ,症例の比較検討を困難にしている。血清GOT,GPT測定法は肝疾患および心筋硬塞診断の日常検査としてもつとも普及したもののひとつで,既に消化器病学会の標準法試案も発表され,方法の統一が考えられている。以下,GOT,GPTの標準法試案による正常値と,従来の方法によるものを記し,酵素活性値の解釈について述べる。
われわれの測定したGOT,GPT正常値および従来の諸報告をまとめて表に示した。
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