日本列島
精神衛生談話会—長野県
川久保 育男
1
1長野県松本保健所
pp.328
発行日 1977年5月15日
Published Date 1977/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205382
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厚生省は精神衛生対策の一端として精神衛生センターの設置を推進して来たが,現在では,ほとんどの都道府県にこれができて,それぞれ地域の特徴を生かした活動をしている.ただ.発足当時から問題になっているセンターの運営活動には一貫したものがなく,まだセンターは何をすべきかというようなことが,論議され続けている状態である.運営上最も大切とされている病院や保健所との連繋にしても,まだまだの感のあることは認めているところである.これはどこでも,保健所の精神衛生業務を充実させずして先にセンターを発足させたところに問題があり,精神衛生対策の中でセンターが浮いてしまった形になったからである.この点はどこでも憂慮しており,その必要性を充分認めているが,現状としてはまだ不充分である.談話会は,このパイプの一助として役立っているのである.
談話会は回を重ねること既に33回に及び,効果を挙げている.会の内容としては,専門家の講演や難しいケースを持ちよって参集者から意見を聴き,最もよい処理方法を考えるとか,末端の現場で働く者の研修会的な意味が多分にあるが,それよりも広く関係者との連繋の意義が強いのである.誰でも参加できるが,やはり,保健所の精神衛生担当者,保健婦,市町村の保健衛生担当者,福祉関係者,病院のケースワーカー,また保育時の保母等で,常に数十人の精神衛生関係者が集まって開かれている.
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