特集 産業衛生と地域保健
地域と職場における環境条件のチェックシステム
堀口 俊一
1
1大阪市立大学医学部衛生学公衆衛生学教室
pp.444-450
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205213
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はじめに
企業体が汚染源となり,地域保健を著しく阻害しているという実態を背景として,特集テーマに対し各論的に掲題のテーマに考察を加えることが,本稿に求められた主旨である.ところで環境条件のチェックシステムという場合,1つは行政的機構,いま1つは観測系統について論ずべきであろう.しかし筆者はこれらについての専門家ではなく,職業性中毒を専攻する一労働衛生学徒である.最近における労働衛生(産業衛生)の趨勢の特徴は地域保健との関連が密接になってきたことであり,筆者自身も,いわゆる公害行政に関与させられる時代になってきた.このような立場から,職業性中毒をひきおこし得る職場の空気環境と,公害健康被害をひきおこし得る地域の大気環境とを対比し,両環境条件のチェックの現状と将来への期待について述べたいと思う.
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