特集 医学教育の中のコミュニティ・ヘルス
コミュニティ・ヘルスの教育の実際
諸岡 妙子
1
1東京女子医科大学衛生学教室第Ⅰ講座
pp.239-247
発行日 1976年4月15日
Published Date 1976/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205162
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序―「コミュニティ・ヘルスの教育」における医科大学の責任と衛生行政機関の協同―
コミュニティ・ヘルスがcomprehensive health care(medicine)―健康増進,疾病の予防,早期発見,早期治療,後保護,損失機能の回復,社会復帰―をコミュニティに推しすすめることであるとすれば,「コミュニティ・ヘルスの教育」は,医科大学の基礎学科,臨床学科の別なく,全学科の全教師に任務づけられるべきであろう.ただし,包括医学のコミュニティへの適用ということに関しては,医科大学の中でも社会医学―公衆衛生学―担当の教授が最も大きな責任を負わされることはいうまでもなかろう.
衛生学・公衆衛生学(わが国の医科大学・大学医学部で衛生学関係の2つの講座の担当する学課を総称しての)が医学教育体系の中にいかに組み入れられ,いかなる内容をもつべきかについては,全国医科大学の衛生学・公衆衛生学教授で構成される衛生学・公衆衛生学教育協議会で,過去30年間しばしば論議されたところであるが,最新の世界と日本の情勢に対処するための新しい見解に関しては,いまだ何らまとめられていない.
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