研究
地域医療・地域保健のあり方をめぐって—ことに無医地区における健康管理の問題点
川井 啓市
1
,
林 恭平
1
1京都府立医科大学公衆衛生学教室
pp.139-144
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205141
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理想的な無医地区の健康管理の対策は,官公立の医療施設を中心としない限り,現在の医療政策・保険制度のなかではありえないが,問題の焦点は,その方法論は別として,この無医地区の医療・健康管理を官公立を主体とした病院が担当するのか,または保健所を中心として成り立ってゆくのかであり,十分の,真剣な討論が必要となろう.
しかし,この無医地区の定義には問題があり,現在のように半径5km以内に医師がいない場合をさすのも必ずしも妥当ではない,現在,私たちが健康管理を行っている村落もそうであるが,無医地区の判定には道路行政も関係し,自家用車の普及率とその医師を訪れる時間,しかも一般内科医general physicianにゆくまでの時間で相対的に規定されるべきものであろう.
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