特集 第15回社会医学研究会
要望課題Ⅰ
いのちと健康を守る国民の運動の発展と保健・医療の職場の民主主義
水野 宏
1
,
神谷 昭典
1
1名古屋大学公衆衛生学教室
pp.645-663
発行日 1974年12月15日
Published Date 1974/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204926
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地域の住民・労働者・農民のいのちと健康をまもる自主的な活動は,住民自治の拡大や,職場での権利の拡大と結びついて年毎に成長をとげ,保健医療の従事者に対しては,住民,労働者,農民の立場にたった協力が強く要求されるようになりました.こうした住民や労働者と手を握りあうためには,保健医療の従事者が,これまでの立場をみつめなおし,自らの職場における国民の健康をまもる民主的な活動の条件をきりひらいていく努力が必要となってきています.しばしば例として引き出される「住民の要求は保健所を素通りする」という現実や,大学にみられる「住民・労働者・農民の要求への無関心・回避・拒絶,反動的加担」などの現実も,こうした考え方の上に検討しなおして,積極的な生きた実例をつくりあげていく必要があります.実際のとりくみの中で,国民との結びつきはどのようにして育てられたか,その結びつきを,職場や学会や,そのほか保健医療の従事者の間にどのようにしてひろげていったか,そのひろがりを大きくしたり,内容を深める上で,どんな困難にぶつかったか,そうした活動の条件は,職場でどのようにして育てられていったか,などを検討する実例はいくつか育っていると思います.そうした問題をつっこんで討議するために上記のテーマをもうけました.(第15回社医研総会案内から)
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