特集 学校医
延岡市医師会の学童心臓検診活動
延岡市医師会校医部会心臓検診委員会
pp.281-285
発行日 1974年5月15日
Published Date 1974/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204844
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めまぐるしい社会情勢の変転に対応し,ますます複雑多用化する地域保健の問題とともに切実な今日的問題を数多くかかえた学校保健において,今回の学校保健法の改正により,全国津々浦々で学童の心臓検診が実施されることになったことは誠に同慶に堪えない.
このときにあたり,延岡市医師会の学童心臓検診の概要をご報告する機会を得たことは意義あることと思う.児童・生徒の健康診断および管理は従来ややもすれば結核に主力が注がれ,心疾患については必ずしも満足すべき状態とはいえない.しかもリウマチ熱の好発年齢である学童からは,つねに新しいリウマチ性心疾患が発生して,ときには不測の心臓急死を招くもととなり,またその幾人かは心弁膜症となり,また先天性心疾患についても往々にして放置せられ手術の時期を失して,あたら寿命を短縮する例は決して少なくない.しかしながら,児童生徒の循環器検診は,診断技術のむずかしさ,集団を扱かう困難さ,および検診費の嵩むことなどがあいまって未だに集団検診の方法が確立していない現状であって校医のもっとも苦慮するところである.
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