海外印象記
Amsterdam 市立保健医療サービス(1)
山中 孟
1
1大津市医師会
pp.255-257
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204834
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昭和48年秋の欧米公衆衛生視察団の一員として外遊の機会を得た私は,8月24日夜羽田を飛び立ち,8月25日,ヨーロッパでの第一歩をコペンハーゲンにしるすことが出来た.
一行26名の大部分は各府県からの衛生行政関係医師であった.開業医で参加したのは私1人であった.もっとも私も一開業医として参加したのではなく,正しくは大津市の嘱託として,開業のかたわら8年間にわたって,市の保健行政の企画と施行に参画してきた立場から参加したのである.私は渡欧を前に,視察に当ってのいくつかの重点目標を考えていた.その中でも地域保健を進めるについて.欧米の開業医や病院医がどのような考えや形で地域の保健活動に参加しているのであろうか,ということに最大の興味と関心をもっていた.日本で私達は過去長い間,医師会活動の一面として市町村保健活動や学校医活動に協力し,ある時は主導的な役割さえ果たしてきた.現在これらについて,医師の中から色々の反発がありまた異論も出ている.それ故に,現在の欧米諸国の実情を知り地域保健推進の将来の姿を考えてみたかったのである.
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