特集 医師会
私の医師会論
医師の専門的機能の組織化
青山 英康
1
1岡山大学医学部衛生学教室
pp.445-449
発行日 1973年7月15日
Published Date 1973/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204691
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去る4月1日に開催された日本医師会の第54回定例代議員会において,会長挨拶の形で提案され承認された「基幹委員会の新設」と「医師損害賠償責任保険制度の発足」は,今後の運営に数多くの問題を残しているものの,その発想は従来の医師会には見られなかった新しい方向性を追求するものとして,広く国民的関心が寄せられている1).これは医師の専門性を医師自らの論理性に求め,医学・医療の現状を反省している点が注目されたためであろう.
このように恒例の代議員会における会長挨拶にさえ国民的な関心が寄せられる医師会とは,国民にとってどのような存在であり,またどのような存在であるべきなのであろうか.この問題を解明するにはまず医師会を構成する個々の会員,あるいは医師にとって医師会とはいかなる存在であり,またあるべきかを明らかにしておかなければならないであろう.なぜならば医師会が国民の健康と疾病の問題を総括的に取り組む医学・医療の専門家集団として社会的に機能する法的根拠は,医師法に規定されている個々の医師に課せられたその専門的機能にあるからである.
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