特集 公衆衛生学の総合科学的深化
医療生活圏構造の問題—社会学の観点から
関 清秀
1
1北海道大学文学部社会学研究室
pp.95-99
発行日 1973年2月15日
Published Date 1973/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204615
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「総合化」の視点を何に求めるか?
医療ないし保健衛生活動の領域は,人間の生命そのものにかかわる領域であり,したがって人間の生活全体と密接なかかわりあいをもっている.すなわち保健の主体,医療の客体は人間であるから,"人間の科学"はすべてのこの間題に発言権をもつということができる.したがって,保健医療の領域を対象とする研究がその成果をあげるためには,すぐれて学際的interdisciplinaryなアプローチを必要とすることとなる.
当シムポジウムのテーマ「公衆衛生学の総合科学的深化」に即して考えるならば,公衆衛生学はこのインター・デシプリナリーな領域にたいして,どのような独自のアプローチをなしうるか,また,この問題を総合的に把握するためにどのような視点に立つべきか,について社会学の観点から見解を述べることが,わたくしに与えられた課題であろう.
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