一頁講座 社会リハビリテーション・5
障害者の生活圏保障
野村 歓
1
1日本大学理工学部
pp.627
発行日 1982年6月10日
Published Date 1982/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104773
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障害者は地域社会の中で障害を持たない人々と共に生活したいと願っているが,多くの社会的障壁があるためになかなか思うようにならない.なかでも建築的障害(architectural barriers)は大きな問題となっており,障害者の行動の自由を奪い,教育や就職の機会はおろか生活そのものを否定し基本的人権をも侵しかねない.
そこで,一人の障害者が市民として活動できるようにまず建築的障壁をなくしてゆかねばならないが(barriers freeという),これを実施するには次のことを基本に据えて考えてゆくべきであろう.すなわち
・障害者は障害を持たない者と全く同じ生活をしたいと考えている
・障害者を市民の一人として把える
・従って,障害者としてでなく市民の生活権利を保障する
・建築的障壁を除去することによって障害者でない状況を設定することができる.
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