特集 群馬県の総合保健活動
活動の実際—成人病対策
藤井 佐司
1
1群馬県衛生部環境衛生課
pp.92-97
発行日 1972年2月15日
Published Date 1972/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204422
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最近におけるわが国の人口の年齢構成の老齢化の傾向,社会環境の変動,食生活の変化などにより,死因構造あるいは罹病傾向に大きな変貌をもたらしている.すなわち従来疾病の主要なものであった急性,慢性伝染病は減少し,一方成人病といわれる脳卒中・ガン・心臓病などが増加している.このことから,疾病予防対策のあり方が再検討され,社会防衛的施策から個人衛生的施策へと施策の変換が強く要請され,本県においても,さきに福祉群馬推進懇談会から"福祉群馬推進に関する意見書"が提出され,今後の健康増進対策の重点として,成人病対策・精神衛生対策の必要性が強調されている.特に脳卒中および心臓病対策については,県民の保健の実状および関心のたかまりに対応すべく地域における健康診断,保健指導体制の確立,脳卒中患者に対する療養指導体制およびリハビリテーション施設の整備拡充などが要望されている.さらにガンについては,検診事業の拡大をはかるとともに,医療施設の整備,ガンに対する正しい知識の普及などに対する配慮が望まれている.
このようなことから県においては保健衛生対策の重点の一つとして成人病対策をとりあげ,その推進をはかっているところであり,その一端を紹介したい.
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