私たちの保健所・15 沖縄・那覇保健所
地域の保健センターとして
伊波 茂雄
1
1沖縄県公衆衛生部
pp.244-245
発行日 1970年4月15日
Published Date 1970/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204061
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はじめに
かつては日本の一県であった沖縄(琉球)は,第2次大戦中に米軍に占領され,平和条約によって米国支配下に入った.1952年4月1日琉球政府が創立され,自治体としての体制は整えられたが,市町村の自治能力は財政的に無力であったため,中央政府が各種公衆衛生事業を直接行なわざるを得ない状態であったし,またその方が最も経済的,かつ効果的であったので,その形態が現在まで発展しつつ存続しているのである.したがって,日本本土とかなり異なった業務を持つ保健所となっており,むしろ結核その他の重要疾病を診療することを主とし,その他が従となっている傾向がある.
琉球列島は約72の島(23は無人島)からなり,総面積は2388平方キロメートル,人口は約百万.沖縄本島は列島最大の島で,人口の8割はここに住んでいて,保健所が4つあり,首都那覇市にあるわが那覇保健所は人口28万の那覇市と本島南部および周辺の離島を管轄し,対象人口は約43万人となっている.その他に,コザ,石川,名護(以上は本島にある),八重山,宮古の5つの保健所があり,それぞれの地域住民の保健衛生を守り,環境食品などの衛生行政を行なっている.保健所の機構は全部同型で図のとおりである.
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