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エドウィン・チャドウィックの業績とその今日的意義(1)—行政改革を中心として
橋本 正己
1
1国立公衆衛生院衛生行政学部
pp.25-32
発行日 1970年1月15日
Published Date 1970/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204013
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I.緒言
エドウィン・チャドウィック卿Sir Edwin Chadwick(1800〜1890)の没後今年は満80年である.彼の死後,世紀の転換とともに欧米諸国は公衆衛生活動の輝かしい発展期を迎え,生活環境の整備,予防医学の進展,衛生行政制度の確立などによって,伝染性疾患を克服し平均寿命の注目すべき伸長をみた.
"Prevention" と "Sanitary Idea" の父といわれるチャドウィックの恐るべき執念は,その母国イギリスをはじめ,先進諸国においては見事に達成されたといえる.この間,公衆衛生活動を志す者にとってチャドウィックはつねにその偉大な先達であり,洋の東西を問わず公衆衛生を学ぶ若い学徒に力強い励ましを与えてきた.
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