特集 第10回社会医学研究会
自由集会(世話人まとめ)
革新首長下における保健行政をめぐって
木下 安子
pp.690
発行日 1969年12月15日
Published Date 1969/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203994
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ひる間"保健所の基本的問題をめぐって"の討論が十分深められないまま,重大な問題が提起されっぱなしに,夜の自由集会にバトン・タッチされた感があった.たとえば東京都の保健相談所の計画にたいし,あるいは名古屋の新生児訪問指導にたいして衛生行政の内部から批判を出すこと,行政のしていることはよくない.欺瞞だというのでなく,それを受けとめ,良くしていく努力をしてほしい,という愛知県の北野衛生部長の発言に対しての討議も不足であった.また大阪の同和地区を中心にした乾死乃生保健婦のたたかいについての評価もまちまちであった.それから東京の事例の報告についても,これが果たして保健婦の仕事だろうかという疑問もなげかけられた.
いわば夜の自由集会は,こうした深められないもろもろの問題を,すっかり背負いこんで出発したようなものだった.
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