北から南から 北海道
辺地医療に地域センター病院方式/力を入れた一般住民の結核検診(岐阜北保健所)
M. S.
pp.339,356
発行日 1969年6月15日
Published Date 1969/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203893
- 有料閲覧
- 文献概要
北海道の医師充足状況は,人口10万対91.5で,全国を大幅に下回っている.また,この少ない医師が都市部に集中し,都市と辺地との医療サービスの格差が広がる一方で,無医地区は804カ所を数え,その人口は全道の5.8%にあたる31万5000人余である.さらに医学の専門分化,高度化にかかわらず専門科医師も極端に不足している.
このような現状をふまえ,将来の地域的願望にたって,地域医療対策の推進を図るため,昨年5月北海道医療総合対策連絡協議会(主宰者副知事)が,行政・大学・医師会・町村長代表など20名による構成で設置され,現地調査および10回余の協議検討の結果,今年2月知事に対し北海道地域医療に関する中間答申がなされた.辺地医療については,医師の絶対数の増加,患者輸送車の整備,巡回診療および移動保健所事業などの強化を図ることはもちろんであるが,基本的には社会経済的な変動に対応し,地域医療網の近代化を図るなかで考えるべきであるとし,道内医療機関を地方センター病院,地域センター病院,地区病院の3段階に分け,その適正配置とそれぞれの有機的運営を図ることによって,それぞれの役割機能を果たすことが望ましい.
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.