抄録
大気汚染ならびに経済状態と,全死亡率および呼吸器系死亡率との関係,二酸化硫黄/地域医療計画への疫学的方法の活用
西川 滇八
1
1日大・公衆衛生
pp.398,424
発行日 1968年10月15日
Published Date 1968/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203748
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1959年から61年までの2年間にわたって,エリー地区において,21の測候所が調査した大気汚染ならびに経済状態と,全死亡および特定の呼吸器系疾患による死亡との関連性を検討して報告した。それによれば,50歳以上の白人では,大気汚染と全死亡率との間に,正の相関があるとの結果をえた。さらに,経済状態とは逆の相関をえた。粒子様の汚染物と男の慢性呼吸器疾患との間にも,同程度の相関があった。このほか,経済状態・全死亡・気管支・気管・肺腫瘍と粒子様汚染との関係も追究された。
この論文は,同じ地区について,硫黄酸化物による汚染と経済状態,全死亡および特定呼吸器系疾患による死亡との関係を追求している。その結果,硫黄の濃度と50歳以上の白人男子の全死亡および気管支・気管・肺の腫瘍との間には相関は認められなかった。しかし,経済状態を5階級にわけた下2階級の住民においては,慢性呼吸器疾患と硫黄濃度との間に正の相関が認められたという。
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