モニターレポート
保健婦のゆめ
I. S.
pp.259
発行日 1968年6月15日
Published Date 1968/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203688
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最近,医療の概念が健康の増進から厚生医療を中心とした社会復帰までを一連の体系をする包括的医療といわれ,総合保健活動が強く叫ばれそのために多くの人々が力をつくしている。けれどもまだ予防医学,リハビリテーションの保険給付が認められていない。このことも前進する関係者や住民の健康に対する自覚が高まったとき,現在の医療制度は変わらざるを得なくなるであろう。そして名実ともに総合保健活動が実現されそのなかで保健婦はその一分野を受持ってどんな働きができるだろうか。1つの夢をしるしてみる。
地域には保健センターがあり,医師家庭医,公衆衛生医,諸検査技師,看護婦,保健婦,国保係,衛生係,ケース・ワーカー,栄養士,事務員などが常住し住民のための健康管理をしている。健康管理は家族単位になされ,健康管理カード(その人に関する胎児期からの健康に関すること,健康状態,家庭,社会環境が記されてあるもの)がフルにその人とともに必要な所で活用される。入院することになると,健康管理カードは病院におくられる。地域に帰るときには入院中のことが記録され,主治医,保健婦への連絡がなされる。入院治療中に自己の健康について正しく認識し,今後の生活調整について家族ともどもどうしたらよいかを把握している。これらの援助は医師や看護婦,保健婦が,治療を通じながらまた健康相談,衛生教育で行なう。
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