人とことば
衛生教育について
A.A. Zaki
1
1衛生省保健局
pp.239
発行日 1968年6月15日
Published Date 1968/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203684
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衛生教育の目的は,人間の体と心がもっている遺伝された力の十二分の活用と,社会に対する個人の好ましい適応とを,増進することにある。衛生教育とは,健康上の問題に対する教育的な接近法(とり組み)方であり,健康の増進および病気の予防と治療のための実際的な対策に関連するものである。(中略)
世界中の人々は,教育や教養の程度如何にかかわらず,自己保存という共通の本能を持っており,これは,健康を求める強い動機となるものである。過去においては,健康を求めて,試行錯誤と,恐怖と希望,模範の創作と模倣との長い道程を辿っていたが,今日では,科学的な知識が普及され活用されれば,いろいろなたくさんの手段があることから,快適な状態(Well-being)でいられるかどうかは,われわれ人間が解決(訳者注:健康上の問題の解決)するかどうかにかかっているのである。解決は態度に依存し,態度,洞察力は知識と体験と感情とに依存している。ところで衛生教育の方法は,一般の人々が健康について,よりかしこい選択をすることを援助するという特殊な目的にそって,進歩して来ている。
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