特集 医療社会事業の役割
論点
医療社会事業に何を期待するか
まず身分法の確立を
中村 千穂
1
1大阪医療社会事業協会
pp.152-153
発行日 1968年3月15日
Published Date 1968/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203640
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わが国の医療部門に社会事業がとりいれられるようになってからの歴史はまだ浅く,英米におけるその歴史と比べて,その出発点も異なり,法的背景もうすい。保健所法(昭和22年法101号)の第2条第6項にある公共医療事業の向上うんぬんと,社会福祉事業法第2条第3項に規定される生計困難者のために必要な医療相談・指導を行なうことなどに止められている。しかし現在,医療社会事業家,いわゆるメディカル・ソーシャル・ワーカーに課せられていることは,それに謳われていることだけに止まらない広範な内容をもっていることはよく知られていることである。
私は過去に,保健所のソーシャル・ワーカーとして働いた経験があるが,現在ではその第一線を退いているので現状分析はできないが.過去の経験を通して日常業務を今少しふり返って考えてみたいと思う。はじめにおことわりしておくが,今までに十分述べられていることをまた,あえて重複することがあるかもしれない。また体験的にも保健所のそれしか知らないし,紙面にもかぎりがあるので,多くは語らない。
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