ニュースの焦点
老人の医療と福祉の問題点
牧 賢一
1
1全国社会福祉協議会
pp.651-652
発行日 1966年11月15日
Published Date 1966/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203378
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9月15日"敬老の日"が国の祝日となって,このところ老人問題は連日新聞やラジオ・テレビを賑わせてちょっとしたブームをよんでいる。戦後わが国の家庭における男性の地位が下がった以上に,老人の座はすっかり狭められ軽くなってしまった。そこから老人福祉への関心がたかまり,かつて"としよりの日""老人の日"などの名により民間行事として行なわれていたものが,名を改めて国の祝日にとり上げられるに至ったのであろう。
日本人の平均寿命は,昭和40年には男67.73歳,女72.75歳,堂々と世界のAクラスに入って,人生50年は遠い昔語り。これはいうまでもなく一般国民生活が向上し,栄養がゆきとどき,医学が進歩し,よい薬ができ,また国保など医療制度が進んできたためであろう。このこと自体はまことに結構なことであるが,しかし社会的視野に立ってみれば手ばなしでよろこんでばかりはいられない問題もある。
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