特集 社会保障と公衆衛生の接点をさぐる
資料
社会保障関係諸予算における公衆衛生関係諸経費
田崎 正善
1
,
栗村 幸雄
2
1大阪府池田保健所
2北海道釧路保健所
pp.401-409
発行日 1966年7月15日
Published Date 1966/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203288
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調査目的
公衆衛生活動と社会保障制度は,前者が社会福祉とともにまず先駆をなし,その経験と成果が基盤となって後者へと発展したことは,欧米諸国の歴史が示している。
今日においても,両者はいわば健康の保障と生活の保障という関係において,相互に不可分の関係にあることはいうまでもない。最近,わが国は経済の成長とともに国民生活水準は,平均的にみてそうとう上昇しており,その背景として社会保障制度面でも,いわゆる皆保険の達成,国民年金の発足など幾多の進歩発展がみられることはよく知られているとおりである。しかし,一方これらの発展における公衆衛生活動との関連とか,社会保障制度からみた公衆衛生の位置づけという立場からみると,多くの問題性を抱えていることも否定できない。従来,わが国において,このような観点からの組織的,系統的な分析はほとんどなされていないので,特に本稿は国家予算において社会保障関係費,そのなかでも公衆衛生活動費を主とした系統的な分析を試みたい。
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