特集 社会保障と公衆衛生の接点をさぐる
ろんそう
社会保障・公衆衛生相互の問題点
施設保障と経済保障の充実を
守屋 博
1
1順天堂大学病院管理学教室
pp.381-383
発行日 1966年7月15日
Published Date 1966/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203280
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原始社会においてさえ,すでに社会保障的相互扶助の動きはみられた。しかし,それはあくまで原始的であって制度といえるものではない。社会が進歩してくるにしたがっていろいろの制度が考えられ,しだいに保障網は細くなってきた。現在,ILOに加入している国々でも社会保障の程度も千差万別であり,格差は非常に大きい。
わが国は,近代社会に眼がむけられて以来,わずかに100年,その間,文明の追従に手一杯で,社会保障までは手も出せなかったのではないだろうか。戦後20年,いろいろの社会保障施策が打出されたのは,1に,人権憲法による民主主義的思想の普及によるものである。と同時に,生産性の向上による所得倍増もその一因をなしていると思われる。
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